11月の米大統領選挙に向けて、トランプ大統領の攻勢がますます過激になってきました。
2020年9月26日、トランプ大統領は、先日癌で亡くなったリベラル派のルース・ベイダー・キンズバーグ判事の後任として、保守派のエイミー・コーニー・バレット判事を指名しました。
米最高裁判事は定数9名ですが、従来保守派5名、リベラル派4名であったものが、この任命で保守派6名、リベラル派3名となり、保守派、つまり共和党が圧倒的に有利になります。
既にこれまでトランプ大統領は、民主党は郵便投票を通じて不正をしようとしていると喧伝し、決着は最高裁判断になるだろうと繰り返し主張しています。
今回の保守派判事任命は、人口中絶反対や銃規制反対など共和党の政策に有利なだけでなく、自らの大統領選挙の結果にも有利になるといえます。
ただし、最高裁判事任命には、大統領の指名だけでなく、米議会の承認も必要です。
民主党大統領候補バイデン氏は、上院で否決するよう呼び掛けていますが、現在上院100議席のうち、共和党53議席、民主党45議席、独立系2議席で、このまま承認される可能性が高いといえます。
トランプ大統領の説明
トランプ大統領はTwitterで、以下のように指名理由を説明しています。
本日、我が国で最も聡明で才能溢れる法律家を最高裁に指名することは、私にとって大きな栄誉だ。
彼女、ジュディ・エイミー・コーニー・バレットは、比類ない功績、非凡な知性、優れた経歴、そして憲法への揺るぎない忠誠を備えた女性だ。
brilliant: 原義は「キラキラ光る」です。そこから「輝かしい」「華々しい」「華麗な」「素晴らしい」「見事な」「才気あふれる」「頭脳明晰な」「聡明な」などの意味へ派生しています。
gifted: 「才能溢れる」。ギフトは贈り物ですが「才能を贈り物として与えられらた」ということです。
legal mind: 「法的思考」。ここでは「法的思考ができる人材」つまり「法律家」を指します。
Supreme Court: 「最高裁判所」
unparalleled achievement: 「比類なき功績」。parallel(パラレル)は「並行する」「同等する」「匹敵する」なのでunparalleledで「並ぶものがない」「比類ない」となります。
towering intellect: tower(タワー)は「高くそびえたつ」、toweringで「高くそびえる」「非常に高い」「非常に優れた」「非凡な」。intellectは「知性」。
sterling credentials: sterlingは「一級品の」「優れた」「立派な」。credentialは「資格」「資質」「経歴」。
unyielding loyalty: yieldは「屈服する」「譲歩する」、unyieldingで「揺るぎない」「不屈の」。loyaltyは「忠誠」「誠実」「忠義」。
the Constitution: 「憲法」。theがついているので特定の憲法、ここでは合衆国憲法ということになります。
judge: 「判事」
まとめ
大統領スピーチは、大衆に話しかけるために、一般にシンプルでわかりやすいメッセージが多く、英語教材として優れています。
トランプ大統領はSNS発信も多いので、是非チェックし活用してみてください。