大人気アニメ「約束のネバーランド」。アニメ公式サイトの日本語版と英語版に掲載の各話「あらすじ/Story 」を日本語・英語横に並べて、日本語をどう英語に訳しているかみてみるPart2。今回は第7話から第9話です。
日本語をそのまま訳すというより、その意味をよく捉えニュアンスが出るようにセンスよく訳されています。なるほどこう訳せばいいんだと、とても参考になりますよ。
第7話
イザベラからママの座を奪いたいという目的とともに、ハウスの管理システムについてクローネから聞かされたエマたちは、彼女と手を組むことにする。その夜、情報収集のためクローネの部屋を訪れたエマとノーマンだったが、逆に発信器の場所や壊し方に気付いていたことを知られてしまう。
https://neverland-anime.com/story/07/
子供たちの脱獄計画を本部に訴えるための証拠として、発信器を壊す道具を探すクローネだったが、そんなクローネにイザベラは本部からの通達を突きつける。
After Krone reveals her motive of taking Mom’s position from Isabella, in addition to how the House is managed, Emma and the group decide to work with her. That night, Emma and Norman visit Krone in her room to get more information. But instead, Krone finds out how the children knew all along about the location and how to break the tracking devices.
https://neverland-animeusa.com/story/07/
While Krone searches for the tool that breaks the tracking devices to present to the higher-ups as evidence of the children’s escape plan, Isabella gives her a letter from the headquarters.
気になるフレーズ
クローネから聞かされた:krone reveals
・・・reveal は「秘密を明らかにする」「暴露する」の意味。クローネが、隠していた自らの目的やハウスの秘密を明らかにする、としてreveal が使われています。
気付いていた:knew all along about
・・・all along は「最初からずっと」の意味。knew all along で「最初からずっと知っていた」となります。
本部に訴える:presents to the higher-ups
・・・higher-up は「上司」「上役」「高官」「お偉方」の意味。文字通り「高い・上の方にいる人」です。「本部」は headquarters ですが、繰り返しを避けるため、ここでは本部にいる上官という意味で higher-ups が使われています。
第8話
イザベラに見送られたクローネは、グランマに彼女のミスを訴える。しかしグランマはそのことを全く意に介さず、クローネは鬼に殺されてしまう。
https://neverland-anime.com/story/08/
その日の午後、エマとノーマンを塀の外の下見へと向かわせたレイは、偽の情報を流しイザベラの注意をひこうとするが、それに気付いていたイザベラはレイを部屋に閉じ込めてしまう。そしてエマとノーマンに対峙したイザベラは、ノーマンの出荷が明日に決まったことを告げるのだった―――
Sent away by Isabella, Krone complains to Grandma about the mistake Isabella made. But Grandma brushes aside the claim, and Krone is killed by the demons. That afternoon, Ray sends Emma and Norman to investigate the outside of the wall while he distracts Isabella with false information. But Isabella, who had figured this out, locks Ray up in a room. Isabella confronts Emma and Norman, announcing that Norman will be shipped out the following day.
https://neverland-animeusa.com/story/08/
気になるフレーズ
全く意に介さず:brush aside
・・・brush aside は「払いのける」「無視する」の意味です。ここでは brush aside the claim で、訴えを払いのける、訴えを無視する、から「訴えを意に介さない」に使われています。
第9話
ノーマンの出荷を阻止するため、逃げたふりをしてハウスの敷地内に潜伏するよう提案するエマとレイ。自分が逃げることでエマたちの脱獄が失敗してしまうと拒否するノーマンだったが、二人の必死の説得を受け入れる。
https://neverland-anime.com/story/09/
出荷当日である翌日、逃げるために塀へと向かったはずのノーマンだったが、計画に反して夕方にはハウスに戻ってきてしまった。戻ってきたノーマンから明かされた真実に、エマとレイは驚愕する。
In order to stop Norman’s shipment, Emma and Ray suggest that he fakes an escape and for him to hide within the House grounds. Norman refuses, fearing that his escape could become detrimental to the rest of the children’s future escape, but with Emma and Ray’s desperate plea, he caves.
https://neverland-animeusa.com/story/09/
Next day, on the day of his shipment, Norman heads to the wall to escape according to the plan. But he ends up returning to the House in the afternoon. Emma and Ray are astonished by the truth that he brings back.
気になるフレーズ
出荷:shippment
・・・”ship” は名詞は「船」、そこから動詞で「船積みする]。”shipment” は船積みしたものの意味で「出荷」「貨物」となります。輸送手段はその後飛行機も出てきたので、海路だけでなく空路や陸路での出荷にも適用されます。空路を強調する場合には”airshipment” を使うこともあります。
逃げたふりをする:fake a escape
・・・フェイクはフェイクニュースなど日本語でも外来語として定着しています。形容詞では「偽の」ですが、動詞では「偽造する」「ふりをする」「見せかける」などの意味となります。”escape” 「脱出」のふりをする=逃げたふりをする、となります。日本語原文から訳そうとするとつい「逃げた」に動詞を使いたくなりますが、名詞にしたところがいいですね。
自分が逃げることでエマたちの計画が失敗してしまう:his escape could become detrimental to the rest of childeren’s future escape
・・・「自分が逃げることが、エマたちの計画に、有害をもたらすものになる」としています。”detrimental” は「有害な」「有害をもたらす」の意味です。
二人の必死の説得を受け入れる:with Emma and Ray’s desperate plea, he caves
・・・”plea” は「嘆願」「懇願」「弁解」「抗弁」。”cave” は名詞は「洞窟」で他動詞は「洞窟を開ける」、そこから転じて「(相手を)屈服させる」、さらに自動詞では「(壁や天井)が崩れ落ちる」「(相手の説得に)屈服する」の意味になります。ここでは自動詞で懇願に屈服するで、懇願に負けるニュアンスが出ています。