RWBY(ルビー)は、米国の製作会社Roothter Teethによるオリジナル3D・CGアニメーションで、オリジナル(英語版)はWEBで無料配信されています。
1話10分から20分程度で、十数話でひとつのVolumeを構成、現在、Volume7まで公開されています。
RWBYがどういったアニメかについては、最後の関連記事をご覧ください。
RWBYの世界
“RWBY”の舞台はレムナント(Remnant)と呼ばれる異世界です。
レムナントにはヴェイル、ヴァキュオ、アトラス、ミストラルという四つの王国が存在します。
世界にはグリムと呼ばれる怪物が闊歩していますが、ハンター(Huntsmen and Huntresses)と呼ばれる戦士がグリム討伐の専門家としてレムナントの平和維持を任としています。
レムナント創生の伝説
Volume1、エピソード1の冒頭で、レムナント創生の伝説が語られます。
この伝説がRWBYの世界観のベースとなるので、ここをよく理解しておくと、後のストーリーの理解も深まると思います。
なお、Volume6で、伝説とは異なる真実の世界創生の物語が語られますが、それはまた別の機会にご紹介します。
Volume1ーEp1冒頭の動画
YouTube上のRooster Teeth公式ページの公式動画を添付します。
引用したシーンは冒頭から2分間です。
字幕は下の設定ボタンをクリックし、字幕言語(日本語・英語等)を選択できますので、日本語字幕で意味を理解し、英語字幕で聞き取れない箇所を確認することが可能です。
Script
Legend. 伝説
Stories scattered though time. 物語は時と共にちっていった
scatter:(他)ばらまく、撒き散らす、(自)散り散りになる、散乱する
・・・ここではstoriesが主語なので自動詞です。through timeで、時が経つ間、あちらこちらに散らばって、物語全体がわからなくなった、ということを意味します。
Mankind has grown quite fond of recounting the exploits of heroes and villains, forgetting so easily that we are remnants, byproducts of a forgotten past. 人類は英雄と悪党の冒険譚を好んで語り継いできた。我々が皆、忘れ去られた過去の残滓(レムナント)、副産物であることも容易に忘れて。
mankind:人類
・・・kind(種)が付くので人の種、つまり人類となります。
recount:〜について詳しく話す、
exploit:偉業、快挙、英雄的行為
remnant:残滓、残されたもの、残余物
・・・この物語の世界の名前もレムナント(remnant)です。
Forgetting so easily that we are remnants, byproducts of a forgotten world 我々が皆、忘れ去られた過去の残滓(レムナント)、副産物であることも容易に忘れて。レムナントの世界観の本質をついた言葉です。
Man, born from dust, was strong, wise, and resourceful, but he was born into an unforgiving world.塵から生まれた人は強く賢く才気にあふれていた。しかしその世界は人に厳しいものであった。
resourceful:才覚に溢れた、資金に富んだ
unforgiving:許されない、容赦ない、厳しい
An inevitable darkness —creature of destruction— the creature of Grimm— set their sights on man and all of his creations. 避けられる闇、破壊を司る生物、グリムの創造物。それは人と人が作ったものに狙いを定めた。
set one’s sights on:〜に照準を合わせる、〜に狙いをつける
These forces clashed, and it seemed the darkness was intent on returning man’s brief existence to the void. これらの勢力は衝突し、闇は人の儚い存在を無に帰すことに執心しているようだった。
void:虚空、空っぽ
However, the smallest spark of hope is enough to ignite change.
And in time, man’s passion, resourcefulness, and ingenuity led them to the tools that would help even the odds. だが限りなく小さな希望の火花であっても、変化の火を灯すには十分であった。ほどなくして、人の熱意や才覚そして創造力はその火花を劣勢を跳ね返す手段へと昇華させた。
odds:勝ち目、勝算、可能性、見込み、不均等、ハンディキャップ
・・・help even the oddsは、「勝ち目が薄い状態なのにそれさえ可能性を高めるのを助ける」といった意味だと思います。
This power was appropriately named, ”DUST”. この力には相応しい名前が名付けられた。ダスト(塵)と。
appropriately:適切に、相応しく
DUSTは人類の起源である塵という名前を付けられた、レムナントのエネルギー源で、天然資源のことです。様々な用途で使われますが、ハンター達がグリムと戦う武器にも使われています。
Nature’s wrath in hand, man lit their way through the darkness, and in the shadow’s absence came strength, civilization, and most importantly, life. 自然の怒りを手にし、人は闇の中に一筋の道筋を照らした。闇が去ったことで、人は力と文明とそして最も重要なことに、生活を手にした。
wrath:激怒、憤怒、天罰
・・・文中のNature’s wrathは「自然の怒り」と訳されており、訳はその通りですが、意味は、前文の「ダスト」の言い換えです。人類はダストを手にし、闇(グリム)を撃退したということです。
in hand:手にして、掌握して
lit:lightの過去形
absence:不在、欠如
But even the most brilliant lights eventually flicker and die, and when they are gone... darkness will return. しかしどれほど眩い光であっても、やがては瞬き消える。そして光が消えた時、闇が戻ってくる。
eventually:ついに、最終的には
flicker:瞬く
So you may prepare your guardians, build your monuments to a so-called “free world”. だからお前は守護者たちを育て、自由な世界を謳う地に記念碑を建てるのかもしれない。
so-called:いわゆる
But, take heed, there will be no victory in strength. だが、心しておくがいい。力の中に勝利はないと。
take heed:留意する、注意する
・・・heedは警告、忠告などの真剣な注意を意味します。take heed, give heed, pay heedなどとして使われます。
But perhaps victory is in the simple things that you’ve long forgotten. だが、勝利は、より単純な君が久しく忘れているものの中にあるのかもしれない。
long:長く
・・・ここでのlongは形容詞ではなく副詞として使われています。
Things that require smaller, more honest soul. より小さく、より純真な心を必要とするものの中に。
ここでのthingsは、前の文のthings that you’ve long forgottenを受けて、繰り返し同じものを違う言い方で説明しているものです。
World of Remnant
RWBYを製作するRoothter Teethは本編以外に外伝も多く作っています。
World of Remnantはレムナントの世界の説明をするシリーズで、2−3分程度(長いものでも7分程度)の短い動画を16本出しています。
内容は、Ep1-Dust, Ep2-Kingdoms, Ep3-Grimm, Ep4-Aura, Ep5-Vytal Festival Tournament, Ep6-Huntsmen, EP7-Cross Continental Transmit System, Ep8-The Four Maidens, Ep9-Vale, Ep10-Mistral, Ep11-Atlas, Ep12-Vacuo, Ep13-Between Kingdoms, Ep14-Faunas, Ep15-Schnee Dust Company, Ep16-The Great War, です。
本編を見ていて、独特の用語が、独自の世界観の中での使われる特殊な単語なのか、自分の英語力の問題なのか、よくわからないことがあるかもしれません。
そんな時、世界観をよく理解しておくと、ストーリーの理解も深まると思います。
まとめ
人類は塵から生まれた過去の残滓(レムナント)ですが、ダストの力を得て、グリムを撃退しますが、また闇が戻ってくる。
RWBYは、その迫りくる闇の脅威と戦う若きハンターたちの物語です。
勝利は力ではなく、小さく誠実な心の中にある。
主人公たちの最終的な勝利を予感させるフレーズですね。