発音

国際音声記号(IPA: Internaltional Phonetic Alphabet)を理解しよう!:英語と日本語の母音の違いが視覚でイメージできるようになる優れ技

2016年、ロンドンに住んでいた時に、英語の発音の学校に数ヶ月通いました。

英語で聞き取れない音があるのは、英語の発音を正しく理解していないから、つまり、理解していない音は聞こえない、と考えたからです。

結果、音が全部聞こえるようになったか、というとそこまで自信ないですが、以前よりは聞き取りが少しだけよくなったような気がします、、

国際音声記号IPAチャート

その学校の先生が分厚い色々な国の言葉の発音を説明した先生用の教本を持っていて、私が日本人だというと、まず日本語の発音の特徴を調べて、そこから日本語の特性として日本人が弱い発音を意識して教えてくれました。

その時、その教本の中で使われていたのが国際音声記号IPAを図示した「IPAチャート」です。

国際音声記号IPAとは、あらゆる言語の音声を文字で表記するため、国際音声学会が定めた音声記号です。

日本語の母音と日本語の母音の位置を比べて、日本語の口の形と英語の口の形の違いをIPAチャート上の位置で示して説明してくれました。

といってもよくわかりませんよね。
まずはIPAチャートがどういうものか実際に見てください。

https://www.internationalphoneticassociation.org/content/ipa-vowels




周りの逆台形は左を向いた人の顔のイメージ。
(1) 左右は舌の位置:左に行くほど舌が前に出、右に行くほど舌が後ろ。
(2) 上下は口の形:上に行くほど口を狭く閉じ、下に行くほど口を大きく開ける。
(3) 2つ並んだ記号:右が口を丸く尖らせ、左は口を丸めない。

このIPAチャートは、いろいろな言語の母音を全て網羅したものです。この中に、日本語も英語も位置付けられます。

上記のIPAチャート上の各音を音声ファイルで聞くことの出来るサイトがあります。具体的な音を確認したい人はチェックしてみてください。

https://en.m.wikipedia.org/wiki/IPA_vowel_chart_with_audio

日本語の母音「あ」「い」「う」「え」「お」は、IPAチャート上、どう表されるか

この中で、日本語の母音(あ・い・う・え・お)だけを取り出し、このIPAチャートでどこに位置付けられるかみてみましょう。

基本5母音の調音位置
左側を向いた人の口の中を模式的に示したもの。左へ行くほど舌が前に出、上へ行くほど口が狭まることを表す。

「あ」 /a/ は中舌的であり、完全な広母音でもない。国際音声記号では前舌母音 [a] と後舌母音 [ɑ] の中間音 [ä̝] と表す事が出来る。また、広母音という特性のみをもつため、子音によって前舌寄り、後舌寄りになり、これを [ä̝] と [ɑ̝̈] で書き分けることもある。
「い」 /i/ は少し広めであり、精密表記では [ɪ̟] と表す。
「え」 /e/ は広めであり、精密表記では 半狭母音 [e] と半広母音 [ɛ] の中間音 [e̞] のように表す。
「お」 /o/ も広めであり、円唇が弱いという特性を持つ。精密表記では 半狭母音 [o] と半広母音 [ɔ] の中間音 [o̞͑] のように表す。
「う」 /u/ は日本語の特徴的な母音で、東京方言では、英語などの [u] のような円唇後舌母音より、少し中舌よりで、それに伴い円唇性が弱まり、中舌母音のような張唇でも円唇でもないニュートラルな唇か、それよりほんの僅かに前に突き出した唇で発音される、微円唇後舌め広めの狭母音 [ɯ̹̽] である。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/日本語の音韻

上に記載の通り、日本語の母音の特徴のひとつは、「お」も「う」も円唇が弱い=口を丸めないことにあります。
特に、英語の”u”は日本語の”ɯ”と比べ口を丸め強く突き出す形にしないと”u”と認識してもらえません。

英語の「あ」に近い母音4つは、IPAチャート上、どう表されるか

日本語の母音は「あ」「い」「う」「え」「お」の5個だけですが、英語の母音は全部で22個あります。多いですよね。英語の発音が日本人にとって難しいと感じられるのは、この母音の数の差による影響が大きいと思います。
でも、22個のうち、複合母音が7個、長母音が4個あるので、短母音は11個。さらにイギリス英語固有の短母音が3個あるので、アメリカ英語の短母音は8個だけです。
その中でも「あ」に近い発音だけで4個あり、日本人にとっては一番難しいといえます。

英語で日本語の「あ」に近い発音は”ɑ”, ”æ”, ”ʌ”, “ə”の4つです。

”ɑ”は、IPAチャートでみると、日本語の「あ」同様、口を大きく開けますが、日本語よりも舌の位置が後ろになります。口を大きく開け、喉の奥で共鳴させる感じの「あ」です。「お」っぽい「あ」となるのはそのためです。
Stop, Not, Body, Hospital, Doctorなどみな”ɑ”です。カタカナ英語では「オ」と発音されますが、「お」っぽい「あ」のためかもしれません。
因みに、こららの単語は、イギリス英語では、”ɑ”ではなく”ɔ”ととなり、「お」に近い発音になります。

”æ”は、いかにも英語っぽい「ア」です。よく「ア」を何でもかんでも”æ”で発音する人がいますが、英語の「あ」に近い音は3つあるのでご注意を。”æ”は、舌を前に出し、口を少し狭めて発音します。よく「え」にちかい「あ」といわれますが、IPAチャート上でみても、舌の位置、口の形はやや「え」よりになります。

”ʌ”は、舌は後ろ、口を少し狭めて、口唇は丸めないで発音します。IPAチャートをみると、”ɔ”と同じ舌の位置・口の形は同じことがわかります。違うのは、”ʌ”は口唇を丸めない点だけです。喉の奥から短く「アッ」という感じです。

“ə”は、曖昧母音、「シュワ」とも呼ばれます。IPAチャート上も丁度ど真ん中にあるように、はっきりしない曖昧な気の抜けた発音です。
他の母音がアクセントがなく弱く発音する際に、シュワに変化します。
”æ”と並んで、いわゆる英語っぽい発音のひとつですね。

IPAの勉強をもっとしたい人用の教本

IPAを勉強したい人は、下記の本など如何でしょうか。

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