Harry Potterシリーズ、知らない人はいない英国児童文学の傑作です。
Harry Potterにはいろいろな楽しみ方があります。原作、映画、演劇、外伝、関連書籍、などなど。ここでは、まずシリーズ第8作目ともいわれるHarry Potter and the Cursed Child(邦題;ハリーポッターと呪いの子)についてご紹介します。

Harry Potter and the Cursed Childは小説でも映画でもなく演劇です。本も出版されていますが、小説ではなく演劇の脚本です。
2016年のロンドンPalece Theatreでの公開以来、未だに高い人気を維持しています。公開後暫くは1年以上先までチケットが売り切れという過熱ぶりでした。
私も当時ロンドンに住んでいたため、4回ほど見に行きましたが、何度見ても飽きないとても面白い魅力的な作品です。
何が面白いかというと、映画の特撮ならまだしも、舞台上で観客がみな見ている前で、あたかも現実のように魔法が展開される点です。
特別なお金をかけた仕掛けを使っているわけではありません。舞台の暗闇を上手に使ったり、マントの動きで視線を誘導したり、原始的な視覚効果をうまく使いながら、スピーディな息をつかせぬ展開で人々を魅了するのです。
劇場に入るときに、”Keep the Secret”と書かれたピンバッチをもらいます。脚本は本として出版されているので、物語の内容のことではありません。魔法のことです。種明かしをされてしまうと、これから劇場にくる人の楽しみが半減してしまいます。演劇を見た人全員が同じように驚き楽しめるように、舞台上でどのように魔法が展開されるか言わないで、ということです。
なので、私もここでは魔法の中身についてはこれ以上説明しません。是非、ご自分で劇場で楽しんでください。現在はロンドンだけでなく、ニューヨーク、サンフランシスコ、メルボルンでもやっているようです。
舞台の英語を理解するのはちょっと難易度が高いですが、本=脚本を事前に読んで、セリフをある程度頭に入れておけば、聞き取りも随分と楽になります。
物語は、本編シリーズ最終作7作目死の秘宝のラストシーン、ヴォルダモートとの激闘から19年後、ハリーの次男がホグワッツ入学のため、ホグワッツ・エクスプレスに乗るところから始まります。
物語は「死の秘宝」のラスト、19年後のHogwarts Expressのホームから始まる
原作を読んだ人、あるいは、映画を見た人は、ラストシーン、ヴォルダモートを倒した19年後のKings Cross 駅の9 3/4ホームで、ハリーの次男、ダンブルドアとスネイプから名前をもらったアルバス・セブルスが「もしスリザリンに組み分けされたらどうしよう」と心配するシーンを覚えているかと思います。
舞台では、アルバス・スネイプ(通称アル)は本当にスリザリンに組み分けされてしまうのです。そこで親友となるのは、ドラコ・マルフォイの息子スコーピウス。しかも英雄ハリーの子なのに魔法はいまひとつ。周囲のプレッシャーと父への反発から、そのうちアルはとんでもないことを、、、、といった話です。
原作本編シリーズ本と違って、脚本なので会話だけですし、分量も多くないので、あっという間に読めます。Part1とPart2に分かれていますが、これは舞台が前編と後編で2日に分けて上演されるためです。さらに、通常の演劇同様、Part1、Part2とも幕間が入ります。
上演時間は、Part1、Part2とも2時間半(内、30分は幕間)、計5時間(幕間抜きで実質4時間)。でも、あっという間で決して飽きることはありません。
舞台ならではの楽しさも
舞台上演前の注意アナウンスも、ハリポタ世界観を反映していて楽しく演出され、舞台開始前からワクワクさせてくれます。
役者も素敵です。主役のアル以上に、親友のスコーピウスはユニークなキャラクターで快演(怪演?)ですし、ハリー以上にドラコがカッコいい。あと、映画ではエマ・ワトソンがはまり役だったハーマイオニーが黒人というのも驚きでした。(ハーマイオニーについては、映画の印象が強烈ですが、原作者のJ. K. ローリングは、原作でも決して白人と書いてはいないとコメントしています。)
劇場で、見終わって帰る途中、バックステージドア辺りに人が群がっているので何かと思ったら、主要な役者が出てきて観客に挨拶をしているのに出くわしました。一緒にいた娘が写真を一緒に撮ってもらいましたが、これも劇場の楽しさです。
舞台チケットはオンラインで購入可能
下記リンクサイトからチケット予約できます。もしロンドンにいく機会あれば、絶対オススメの一作です。
https://www.harrypottertheplay.com
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