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英語学習の効果を高める要因って何?〜自分に合った学習法を探す鍵は、実は「経済学」で説明できるんです!

英語学習の効果を高める要因って何だと思いますか?

実は、経済成長の要因分析と同じアプローチで説明できるんです。

経済成長は、

経済成長=資本の投入+労働の投入+生産性の向上

で説明できます。

米国の経済学者ポール・クルーグマンがフォーリン・アフェアーズ(1995年1月号)に投稿した有名な論文「幻のアジア経済(The Myth of the Asia’s miracle)」で、彼は以下のように述べています。

アジアの経済成長は奇跡ではない。持続的な経済成長には、「投入の増大」と「生産効率の改善」の双方が必要だが、アジア諸国の経済成長のほとんどは、労働力の拡大、教育レベルの改善、物的資本への投資など、持続的には行い得ない「投入」の増大によって説明できてしまうからである。実際、日本を例外とすれば、そこには生産効率の改善の形跡などほとんど見られない。いずれ陰りが見えてくるのがわかっている投入増大型の経済成長を、将来にそのまま当てはめ、世界経済の将来を論じても何の意味もない。われわれは、誤った前提を基にする過大な経済予測やそれに伴う思いこみに振り回されることなく、現実の数字、つまり「数字という暴君」を素直に受け入れるべきである。

https://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/199501_krugman/

当時、アジア地域は日本を先頭に雁行型で次々と高成長を実現し、アジアの未来は輝かしいと皆が思っていた時に、クルーグマン教授は「アジアの高成長は労働力の拡大や物的資本への投資等投入量の増加によるもので、いずれ成長は緩やかになる」と予言したものです。

英語学習にも同じ式を当てはめることができます。

英語学習の伸び=学習費用の投入+学習時間の投入+学習効率の向上

学習費用の投入

まず最初の要素である「学習費用の投入」について考えてみます。

学習費用の投入とは、英語学習にいくらお金を払えるか、ということです。

ここは、人によって判断が分かれるところでしょう。

ある人は、なるべくお金をかけずに、できれば全て無料で学習したいと思っているでしょう。

実際、今はネットやアプリを中心に無料で使える学習素材が溢れています。

上手に使えば、高い学習効果も期待できます。

でも、お金を払えば、費用対効果で期待通りかどうかは別にして、無料で学習するよりも一層高い効果を得られることは、ほぼ間違いないでしょう。

費用の高さの順番でいうと、一般に、

オンライン学習→対面でのグループ学習授業→対面でのマンツーマン授業→コーチング

の順で段々高くなると思いますが、高いお金を払えば払うほど、より高い効果を期待することができるといえます。

いくらまで払うことができるかは、本人の懐事情と学習の目的・必要性・切迫度によります。

急に海外赴任で現法の幹部を任されることになり、出張までの3ヶ月で、現地社員を率いていくのに十分な英語力をつけないといけない!としたら、金に糸目をつけている場合ではなく、3ヶ月という短期間で最大の効果が期待できるコーチングを考えるかもしれませんが、老化防止のため別に英語でなくてもいいけど何か勉強したいだけなら、少ない年金を使うより、無料素材を探して独習する方を好むかもしれません。

学習時間の投入

語学の習得には時間がかかります。

どのくらいの時間が必要かには諸説ありますが、一般に、3,000時間〜5,000時間といわれています。

中学〜高校の6年間の授業時間は大体800時間、自宅学習・受験勉強で800時間(授業1時間に対し予習・復習を1時間と想定)とすると、合わせて1,600時間。

英語を勉強しようと考えている人は、平均的な人より長く勉強していると想定すると、大学での勉強時間も含めてプラス400時間で、既に2,000時間程度は勉強していると考えられます。

そうだとしても、あと1,000時間〜3,000時間(平均で2,000時間)足りません。

社会人になってから、学習時間を確保するのは簡単ではありません。

1日5分でもと隙間時間でコツコツ勉強する人や、通勤電車に乗っている間の1日30分を使っている人もいるでしょう。

でも、土日も含めて1年365日毎日続けたとしても、1日5分では1年間で30時間、1日30分でも182時間です。2,000時間到達には、1日5分では67年、1日30分でも11年かかります。

特に急がない、コツコツやるからいいんです、という人はいいのですが、ここでもやはり、学習の目的・必要性・切迫度に応じて、急ぐ人は短期間に集中的に時間をかける必要があります。

逆にいえば、短期間に集中的に時間をかければ、効果は絶対にでるということです。

1日3時間かければ、1年間で1,095時間、2年間で2,190時間確保できます。
1日5分では67年掛かる2,000時間を2年弱で達成できることになるんです。

2年間でいいんだったら、毎日3時間頑張ってみようかな、という気になりますよね?

学習効率の向上

学習効率の向上とは、同じ時間学習したとして、どれだけ高い成果をあげることが出来るか、ということです。

同じ学習方法であっても、その人の知識水準、得意分野・苦手分野などによって、効果がある場合もあれば効果があまりない場合もあります。

高い学習効果を得るには、まず自分の現状を正しく認識し、自分に不足しているもの・自分が一番鍛えなければいけないものは何かを的確に把握し、自分に合った学習方法を特定しなくてはいけません。

例えば、一口に「英語を聞いても何を言っているか分からない」といっても、(1)音は聞こえているけど、単語力がないので意味が分からないのか、(2)単語の知識量は多いけど音を聞き取れないので何と言っているのか聞き取れないのか、(3)音は聞こえていて単語を特定することもできるけど速すぎて文章として理解が追いつかないのか、いろいろなパターンがありえます。

(1)であれば、まず知っている単語量を増やす等基礎的学力の向上が必要です。(2)であればフォネティクス等発音の勉強をしたり、リスニングの練習をすべきでしょう。(3)であれば多読や多聴で理解力・listening comprehensionのスピードをあげることに注力す流のがいいでしょう。

まとめ

英語学習の効果は次の要因で分析できます。

英語学習の伸び=学習費用の投入+学習時間の投入+学習効率の向上

学習費用と学習時間は投入量を増やせば増やすほど効果を出すことができます。

どれだけ投入するかは、各人の置かれた状況とニーズ次第です。

学習効率は、自分の現状を的確に把握し、自分に合った勉強方法を見つけることで、より高い効果を得ることができます。

英語学習法というと、学習方法の解説(サプライ・サイドの説明)が中心なものが主流ですが、自分の現状とニーズの分析(ディマンド・サイドの分析)が実はもっと大切で、それに応じて学習方法を決め、それにいくらお金をかけ、何時間費やすのかを決める、そういったアプローチにもっと焦点を当てるべきだと思います。

自己分析をせずに、方法論ばかりに目を奪われて、いろいろな方法に手をつけてはやめ、また新しい方法を探す、それこそ非効率の極みです。

まずは自己分析、遠回りのようで、それが一番近道です!

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