ニュース

ニュースで英語!:ビリー・アイリッシュ、民主党大会で若者に投票呼び掛け〜”SILENCE IS NOT AN OPTION!”〜

2020年11月3日の米国大統領選挙に向け、8月17日〜20日、民主党の全国大会(Democrats National Convention)が開催され、大統領選挙候補としてジョー・バイデン氏(Joe Biden)、副大統領候補としてカマラ・ハリス氏(Kamala Devi Harris)が選出されました。

その民主党大会2日目、18日、芸能人ゲストとしてビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)が登壇、新曲”MY FUTURE”を歌い上げるとともに、若者に向け強いメッセージを発信し話題となりました。

ニュースで英語!:ビリー・アイリッシュのメッセージ

You don’t need me to tell you things are a mess — Donald Trump is destroying our country and everything we care about.
みんな知っているように、世の中が混乱している、ドナルド・トランプが私たちの国と私たちが大切にしているもの全てを壊そうとしているの。

最初の”You don’t need me to tell you 〜”は直訳すると「あなたは私に〜と言ってもらう必要がない」ですが、つまり「あなたも知っているように」という意味です。

“things”は「状況」「事態」ですが、ここでは幅広く「世の中」と訳してよいかと思います。

“mess”は「混乱した状態」。

“care about”は「〜大切にする」「〜を大事に思う」です。”everything we care about”で「私たちが大切にしている全てのもの」という意味になります。

We need leaders who will solve problems like climate change and covid — not deny them. Leaders who will fight against systemic racism and inequality.
私たちにはリーダーが必要なの。気候変動や新型コロナのような問題を否定するんじゃなく、解決してくれるリーダーが。根深い人種差別や不平等と闘ってくれるリーダーが。

長い文章で関係代名詞が入ったものは、前から順にぶつ切りに訳していく方が、英語の思考方法にあっていて自然です。

ここでは、まず”we need leaders”という主文を訳し、その後に、どんなリーダーが必要なのかを訳しています。

And that starts by voting for someone who understands how much is at stake; someone who is building a team that shares our values.
そして、それは投票することで始まります。どれだけいま危険な状態にあるか理解している人に。私たちと同じ価値観を共有する政権を作ってくれる人に。

”at stake”は「危機に瀕して」「危険な状態にあって」という意味です。ここでは主語が省略されていますが、本来であれば、”how much it is at stake”で”it”は「世の中」を指していると思われます。

“building a team”は直訳で「チームを作る」ですが、ここでは「政権を作る」という意味だと思います。日本語でも「組閣する」というのと同じ感じですね。

It starts with voting against Donald Trump and for Joe Biden.
それは投票することで始まります。ドナルド・トランプではなくジョー・バイデンに投票することで。

”against”は「反対して」、”for”は「賛成して」の意味です。どちらも動詞の”vote”にかかります。(”vote against”は反対投票する、”vote for”は賛成投票する、です)

Silence is not an option and we cannot sit this one out.
黙っていてはダメ!投票しないなんてダメ!

”silence is not an option”の直訳は「沈黙は選択肢ではない」ですが、メッセージとしては「黙っていてはダメ」「声を上げよう」「主張すべきことは主張しよう」ということです。

同様に、”we cannot this one out”の直訳は「参加しないことはできない」です。参加の対象は文脈からして当然「投票」なので、「投票しないなんてダメ」「投票しないなんてあり得ない」という意味になります。

なお、この”silence is not an option”は誰がいつ言い始めたかわかりませんが、以前から、不平等に対する抗議運動の中で「声を上げよう」という政治的呼び掛けとして使用されてきました。

最近の”Black Lives Matter”運動も”silence is not an option”の一つです。

そういえば、ディズニーの実写版アラジン でジャスミンが歌う“Speechless”もこの”silence is not an option”の流れを汲んでいるといえます。

Speechlessは「物が言えない」「無言の」「黙っている」ですが、歌詞を見ていただければわかるように、“I won’t be silenced” 「黙ってなんてないわ!」“You can’t keep me quiet“「私を黙れせておくことなんて出来ない」”All I know is I won’t go speechless!“「何が何でも黙ったままではいられない!(声をあげるわ!)」と歌い上げます。

We all have to vote like our lives and the world depend on it — because they do.
私たちはみんな投票に行かなくては。私たちの生活と世界はそれにかかっているのよ。だってそうでしょ。

ここの”like”はちょっとはっきりしませんが、”you know”のようなあまり意味のない繋ぎ言葉ではないでしょうか。

“because they do”もちょっとわかりにくいですが、“they do”は”our lives and the world depend on it”を代名詞で言い直し、そういうものだということを強調したものだと思います。

The only way to be certain of our future is to make it ourselves. Please register; please vote.
私たちの未来を確かなものにする唯一の方法は、私たち自身で決めなくてはなりません。
どうか、選挙登録をしてください。どうか、投票をしてください。

”be certain of〜”は「〜を確信している」という意味です。ここでは、「”our future”(私たちの信じる未来)を確かなものにする」という意味だと思います。

”register”は「登録する」ですが、ここでは「選挙登録する」の意味です。

新曲”MY FUTURE”披露

このスピーチの後、ビリー・アイリッシュは新曲”MY FUTURE”を公式に初めて披露します。

歌のタイトルの”MY FUTURE”は彼女がメッセージの最後に語った”The only way to be certain of our future is to make it ourselves. Please register; please vote.”の”OUR FUTURE”と無関係ではないでしょう。

その意味で非常に政治的メッセージ色の強い新曲なんだと思います。

まとめ

如何ですか?

芸能人、しかも若手ミュージシャンが党大会で応援演説とパフォーマンス披露、なんて日本ではなかなか想像できませんが、米国では一般的です。

伝統的に共和党は保守、民主党はリベラルなので、若手芸能人や女性芸能人は民主党支持者が比較的多いように思えます。

先日もテイラー・スウィフトが民主党への投票を呼びかけ、トランプ大統領から皮肉を言われていましたが、若者の支持が強く、若者の声を代弁しているともいえるビリー・アイリッシュによる民主党への投票を呼びかけも、無視できない影響を持つことでしょう。

米国を分断する大統領選挙の行方、目が離せませんね。

関連記事

ブログ更新をメールで受信

メールアドレスを記入すれば、更新をメールで受信できます。

RELATED POST