2019年3月14日、英国国会下院は、3月29日に迫った欧州連合(EU)離脱(BREXIT)期日の延期を賛成412、反対202の賛成多数で議決しました。
TVでそのニュースをみていたら、投票結果を宣言している映像が流れましたが、こう聞こえました。
“The eyes to the right 412, the noes to the left 202. The eyes have it, the eyes have it”
The eyes have it?? 目と何か関係あるの?
いえいえ、そうではありません。実はこれは古い英語なんですね。
eyesではなく、”ayes” で、yes あるいは yes vote という意味です。
noesは、”nays” で、no あるいは no vote という意味です。
したがって、”The ayes have it” は、「賛成多数で可決」を意味します。
The ayes to the right. 何故「賛成は右」?
それでは、”The eyes to the right” とは、どういう意味でしょうか?
それについて説明したサイトを見つけました。
The ayes have it – means that the ‘yes’ vote is in the majority. ”The ayes have it“ は、賛成投票多数を意味します。
In the UK Parliament when MPs vote on an issue they leave the House of Commons chamber and divide into separate division lobbies for ‘ayes’ (yes votes) and ‘noes’ (no votes). 英国議会では国会議員(注1)がある議案について投票する際、国会議員は一旦下院(注2)本会議場を退出し、「賛成」と「反対」のそれぞれのロビーに分かれます。
注1:MPは “Member of Parliament” の略で、国会議員を意味します。
注2:英国では、下院は House of Commons(庶民院)、上院は House of Lords(貴族院) と呼ばれます。
So, the term ‘ayes to the right’ I used in the title means that those in favour go through the right-hand lobby だから、”ayes to the right” は、右側の「賛成」側のロビーに行った人を意味します。(原文には書いていませんが、The noes to the left は、左側の「反対」側のロビーに行った人を意味します。)
https://lizbrownediting.com/unravelling-parliamentary-idioms/
なるほど、英国国会での投票のやり方が関係していたんですね。
The eyes have it も実は使われています
しかし、実際には、”The eyes have it” という表現も実際にはよく使われているようです。
これは、もともとは “The ayes have it” だったものを、聞き間違えて “The eyes have it” とし、それが若干異なる意味で定着したもののようです。
意味が近いところでは、「その通りですね」という意味で使われます。
“Eyes” に焦点を当て、見る目や視力と意味を掛けている場合もあるようです。
また、1945年のDisneyのDonald DuckとPlutoの映画などいろいろな映画や本のタイトルにも使われています。
引用:Wikipedia
今でも使われている ”aye” の他の例
また、よく米海軍で上官の命令に対して了解の意味で「アイ・アイ・サー」と言うのを聞いたことがあるかと思いますが、ここでの「アイ」も同じ ”Yes” の意味の ”Aye” です。
“Aye, Aye, Sir” と書きます。
“Yes, Sir” と実は同じような意味なんですね。