英会話・TOEIC

アルク・ヒアリングマラソンのおススメ学習法

定番中の定番の英語教材アルクのヒアリングマラソン。

1000時間マラソンという言葉は、語学の習得に近道はないということを象徴しています。

ただ独学で1000時間続けることは容易ではありません。

そもためヒアリングマラソンには続けるための工夫がされ、また効果的な学習法として次の6つの方法が具体的に示されています。

1)シャドーイング ➡️ 聞こえた英文をそのまま少し遅れて声に出すこと
2)ディクテーション ➡️ 英文音声を聞いて書き取ること
3)音読 ➡️ 英文を声に出して読むこと
4)オーバーラッピング ➡️ 音声にぴったり合わせて音読すること
5)リピーティング ➡️ 音声を聞いた後で声に出すこと
6)リプロダクション ➡️ 聞いたり読んだりした英語をそのまま口頭で再生すること

これらは「リスニング」 に特に効果がありますが、「スピーキング」や「発音」にも効果があります。

また見てわかるように、2)のディクテーション以外は、「声に出すこと」が求められます。
単に「聞くだけ」では理解したようで実はきちんと理解できていません。
実際に声に出すことでどこが理解できていないのかが明確になり、より理解が深まります。

「ヒアリングマラソン」という名前ですが、聞いているだけではだめで、リスニング力を高めるには「実際に声に出す」ことが重要だということです。

この6つの方法について、ヒアリングマラソン教材の具体例を示しながら、どのように実践したらいいかみてみます。

なお、個人的には、上で述べたように、2)のディクテーションは他と少し性質が異なると思います。
他の5つは「声に出す」という点で似た性質を持ちますが、難易度順でいうと、

3)音読 ➡️ 英文を声に出して読むこと
4)オーバーラッピング ➡️ 音声にぴったり合わせて音読すること
1)シャドーイング ➡️ 聞こえた英文をそのまま少し遅れて声に出すこと
5)リピーティング ➡️ 音声を聞いた後で声に出すこと
6)リプロダクション ➡️ 聞いたり読んだりした英語をそのまま口頭で再生すること

であり、この順番で実践するのが効果的と考えます。

従って、まずこの5つを上記順番で説明したあと、ディクテーションについて触れたいと思います。

6つの学習方法

音読

「音読」とは、文字通り「英文を声に出して音にして読むこと」です。

期待される効果

声に出すことで、
・内容を理解しながら読む練習になる
・自分で発話する練習になる
・発音の練習になる
・自分で発話することで聞き取りもできるようになる
・知らなかった単語も発話することで覚える
などの効果が期待できます。

オーバーラッピング

「オーバーラッピング」とは、内容を理解した英文を見ながら、音声にピッタリ合わせて発音することです。

期待される効果

音声にピッタリ合わせて声を出すことで、
・英語の自然なリズムが身につく
・その結果、より流暢に話せるようになる
・細部まで聞き取れているか確認できる
・発音がよりお手本に近くなる
などの効果が期待できます。

「音読」は、自分流の読み方なので、リズム、イントネーション、発音は「自分なり」ですが、「オーバーラッピング」では、お手本に合わせるので、より自然な英語を身に付けることが出来ます。

シャドーイング

「シャドーイング(Shadowing)」とは、「聞こえた英文をそのまま少し遅れて声に出すこと」です。
影(shadow)のように後を付いていくということです。

まず英文を読んで内容を理解し、最初は英文を見ながら、聞こえる音声から少し遅れて後追いします。
慣れてきたら、英文を見ないで音声だけを聞きながら後追いします。

この慣れてから以降の、「英文を見ないで音声を聞きながら後追いすること」に意味があります。

すぐに後追いするので、英文を覚えていなくても、聞こえた音を再生することが出来ます。

期待される効果

その時、元の音声と同じペースで後追いすることで、
・自然な速さの英語を聞き取れるようになる
・自然なイントネーション、自然な発音を自然にトレースすることになり、自然な英語を自然に身に付けることができるようになる
・聞こえた音を真似するので、発音がよりお手本に近くなる
などの効果が期待できます。

「オーバーラッピング」との違いは「英文を見ない」点です。「オーバーラッピングは「英文を見ながら発音」でしたが、「シャドーイング」は「英文を見ないで音声だけを聞きながら後追い」する点が大きく異なります。

目ではなく、耳だけを頼りに、聞こえた音声を再生することで、より自然な英語を自分のものにすることができます。

リピーティング

「リピーティング」とは、音声を聞いた後で声に出すことです。

音声を1フレーズもしくは1センテンス聞いたあと、一旦音声を止めて、声に出して繰り返す方法です。

声に出した後、もう一度英文を見て内容を確認すると、やりっぱなしでなく、より正確性を高めることになります。

期待される効果

ある程度の塊を聞いた後で、それを塊として繰り返すことで、
・細部まで聞き取れているか確認できる
・塊として自分で理解して発話する練習になる
・自分で理解して発話するため分構造を意識するようになる
などの効果が期待できます。

「シャドーイング」との違いは、「シャドーイング」では音声の直後に取り敢えず後追いで付いて行くのに対し、「リピーティング」では、塊として話された内容を理解した上で繰り返す点にあります。

「オーバーラッピング」→「シャドーイング」→「リピーティング」と徐々に元の音声との時間差が大きくなるという点で、難易度が上がって行くといえると思います。

教材の実例

ヒアリングマラソンの教材では、「リピーティング練習」専用のセクションがあり、英文上で一旦止めるべきところに「/」マークを付け、区切りを具体的に示してくれます。

またアクセントを明確にするため、強く発音すべきところを「太字」にしてくれるなど、「リピーティング」が効果的・効率的に出来るような工夫がなされています。

リプロダクション

「リプロダクション」とは、聞いたり読んだりした英語をそのまま口頭で再現することです。

1フレーズもしくは1センテンスの英語を聞いたり読んだりしたら、一旦止め、その内容を覚えて、覚えた通りに声に出して言う方法です。

再現した後、元の英文をもう一度聞いたり読んだりして、間違い箇所をチェックすると、より効果が高まります。

期待される効果

やる作業は「リピーティング」とよく似ているので、「リピーティング」と同じ効果、
・細部まで聞き取れているか確認できる
・塊として自分で理解して発話する練習になる
・自分で理解して発話するため分構造を意識するようになる
などが期待できます。

さらに、聞いたり読んだりした内容を覚えて再現することで、
・内容がより定着し、自分で英作文する際の練習になる
なども期待できます

「リピーティング」とよく似ていると言いましたが、逆に違いは、「リプロダクション」では、単に読んで繰り返すのではなく、声に出す内容を「覚えて」、「記憶を元に再生」する点にあります。

「リピーティング」と時間差という点では同じですが、「塊を記憶する」点で難易度がより上がるといえます。

ディクテーション

「ディクテーション」は、上の5つと異なり、声に出す必要はありません。「ディクテーション」とは、英文音声を聞いて書き取ることです。

音声を聞くやり方は、自分のレベルに合わせて柔軟に対応可能です。

全体を通しで聞きながら、全文を書き取るのが一番難易度が高いといえます。
それを1回でできれば最高ですが、出来なければ、2回、3回、4回、5回と繰り返し聞き、その都度、分からない箇所を埋めていく、というのが一番正当な方法です。

ただ、これは結難しいと思います。

慣れないうちは、もう少し簡便な方法で、自分に出来る範囲でしないと心が折れてしまいますし、楽しくありません。

全体を一度に聞くのではなく、1フレーズもしくは1センテンスごとに音声を繰り返し聞き、その都度書き取るなどより現実的な方法とし、慣れてきたら、徐々に一度に聞く塊を長くしていくのが、着実で効果的と考えます。

そして、もうひとつより効率的な方法は「穴埋め」です。

これはヒアリングマラソンの教材の中でも使用されている方法です。

あらかじめ英文の一部が( )で伏せられていて、そこに当てはまる単語や文章を書き取るやり方です。

教材の場合は、専門家により、キーワードや聞き取り難い単語が選ばれて伏せられているので、自分でやるより、より効率的かつ効果的な方法になっています。

教材の実例

期待される効果

英文を聞いて書き取ることで、
・自分の聞き取れない語句を分析できる
・自分で英語を書く練習になる
・聞き取れなかった語句を確認することでその単語を覚える
・聞き取れなかった部分を文法知識で補うことで文法知識が定着する
などの効果が期待できます。

難易度のバリエーション

ヒアリングマラソンの教材は全員共通です。

英語の得意な人もそうでない人もいるので、同じ教材でも、ある人には簡単すぎるかもしれないし、ある人には難しすぎるかもしれません。

そのため、教材の各コーナーは難易度が星の数1つ、2つ、3つと明示されています。

もちろん全部やっていいのですが、もし簡単すぎる、難しすぎるということでストレスを感じるようであれば、自分に合った難易度を選んで、それを集中的にやることも可能です。

ひとつのテーマだけでも、上述の6つの学習方法を全部やろうと思ったら、かなりの時間を取ります。

全部のテーマを1つか2つの学習方法で浅くやるより、1つのテーマでも、6つの学習方法を駆使して繰り返し深くやる方が定着度は高いともいえます。

ヒアリングマラソン申し込み

英語学習は地道な努力の積み重ねです。

楽な道はありませんが、楽しく続けることは可能です。

ヒアリングマラソンは、教材テーマ・素材の選択、練習問題の組み立て、そして上述の6つの学習方法を自然に実践できる工夫がなされ、楽しく継続することが出来ます。

それが30年以上の長い間、多くの人に支持されてきた理由だと思います。

あなたも是非一度試してみては如何でしょうか。

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