(1)映画で英語!

映画で英語!:007タイトル“No Time To Die“に込められた深〜い意味とオマージュ

007新作“No Time To Die”、観てきました!

このタイトルNo Time To Dieの意味するところは何か?というのは、タイトルが発表になって以降、様々な憶測を生んできましたが、映画を観て「なるほど!」と納得しました。

このタイトルには、深〜い意味と007過去作品へのオマージュが込められていたんです!

(以下、ネタバレを含みます。まだ映画を観ていない方はご注意ください)

No time to die :直訳の意味

No time to die は、直訳では「死ぬ時間はない」「死んでいる時間はない」「死んでいる場合じゃない」という意味になります。

ただ007タイトルとしてのNo Time To Dieには、それ以上の意味が込められています。

映画公開前の憶測

タイトルが公表されて以降、このタイトルは何を意味するのか?様々な憶測が流れました。

・引退していた(=死んだも同然だった)ボンドが再び現役スパイとして復帰することではないか?

・次から次へと新しい悪が登場する中、007に休んでいる(死んでいる)暇はないということではないか?

など、もっともらしい説が唱えられてきました。

でも、実際に映画を観て、実は全然違う意味だったんだ、とその深い意味と想いに納得しました!

No Time To Dieを紐解く3つの鍵

No Time To Die を理解するには、3つの鍵があります。

1つ目の鍵:Billie Eilishの歌うNo Time To Die

1つ目の鍵は、オープニングでBillie Eilishが歌うテーマ曲、映画タイトルと同じ曲名の”No Time To Die”です。

歌詞の中にも、当然、No time to dieが出てきます。

Universal-musicのページを見ると、歌詞の和訳が掲載されています。

それを見ると、

There’s just no time to die で「死に身を委ねている暇などない」、

No time to die で「死ぬ暇などない」、

と訳されています。

歌詞全体を読むと、

We were a pair 二人は一つだったのに、

I‘d fallen for a lie 私は嘘に乗せられてしまった、

You were never on my side あなたは味方ではなかった、

など、この歌詞は、オープニングの戦いでをマドレーヌの裏切りを疑ってしまったボンドとマドレーヌの関係を歌っているととれます。

映画字幕では「まだ死ねない」となっていたように記憶しています。

ここで”No Time To Die”は「死」に向き合った時でさえ「生きること」を強く志向する姿勢を示唆しています。

2つ目の鍵:”We have all the time in the world”

2つ目の鍵は、映画の中で何度か出てくるセリフ“We have all the time in the world”です。

「時間はいくらでもある」という意味です。

ボンドからマドレーヌへの最後の言葉

ラストシーン。

死を覚悟したボンドが、マドレーヌに最後の通話をする中で、マドレーヌが「もっと時間があれば、、」と嘆くのに対し、ボンドが

We have all the time in the world

「時間はいくらでもある」

と返します。

このセリフは、実は冒頭のイタリアのシーンでも一度使われています。

ドライブ中に、ボンドがマドレーヌに”We have all the time in the world”「時間はいくらでもある」と全く同じ回答するんです。

その時は本当に時間があったのですが、ラストシーンは死が目前に迫る中で、それでも一緒に生きていく、愛しあう時間がこれからもずっと続くと確認し合うんです。

Louis Armstrong の歌う We have all the time in the world

そして、Endingの曲、Louis Armstrongの We have all the time in the world に続きます。

Openingの Billie Eilishの No Time To Die とEndingの Louis Armstrongの We have all the time in the world この2曲は対となり、生きること、愛することへの賛歌になっているといえます。

Louis Armstrongは、この曲の中で、

We have all the time in the world

Time enough for life

Just for love

Nothing more

Nothing less.

Only love.

「時間は十分にある、生きるための時間、愛のための時間、愛するためだけの時間は十分にある」とボンドの最後のセリフを補完します。

3つ目の鍵:Mの追悼の言葉

3つ目の鍵は、Mのボンドへの追悼の言葉です。

全てが終わった後に、MI6の仲間たちで失った仲間、ボンドへ追悼の献杯をする際、Mが米国の小説家Jack Londonの言葉を捧げます。

The proper function of man is to live, not to exist. I shall not waste my days in trying to prolong them. I shall use my time.

「人間は、存在するだけではなく、生きることで、本当に人間といえる。私は、日々をただ無駄に過ごすのではなく、自分の時間(my time)を使うのだ。」

ボンドという存在はいなくなったが、ボンドは真に「生きた」といえるでしょう。

No Time To Die は愛の物語

3つの鍵、Billie Eilishの歌うNo Time To Die、Louis Armstrongの歌うWe have all the time in the world、Mが引用したJack LondonのI shall use my time。

いずれもTIMEが含まれるこの3つの鍵は、それぞれが相互に関連しあい、「生きること」「愛すること」とは何かを問いかけます。

No Time To Die は「死んでいる時間はない」ですが、「死んでいない」ということは「生きている」ということ。そして「生きている」とは「単に存在している=日々を無駄に過ごす」のではなく、「自分の時間を(有意義に)使う」ということ。「存在しなくなってもなお、愛する=生き続ける」ことは可能なんです。

映画 007 No Time To Dieは、アクションスパイ映画でありながら、究極の愛の物語であるといえます。

007過去作品へのオマージュ

No Time To Die は、007過去作品へのオマージュにもなっています。

Louis ArmstrongのWe have all the time in the worldは、女王陛下の007 (On Her Majesty’s Secret Service)の挿入歌です。

女王陛下の007では、ボンドはラストシーンでボンドガールと結婚するのですが、宿敵ブロフェルドにより、ドライブ中に爆破され、最愛の妻を失います。

Mの引用したJack Londonの引用句は、007は二度死ぬ (You Only Live Twice)でも引用されています。

今回のNo Time To Dieは、007の過去作品へのオマージュにもなっているんですね。

まとめ

ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)は、6代目ジェームズ・ボンドで、007シリーズ全25作中、21作目から25作目の5作品に出演、今回が最後の出演作となります。

ダニエル・クレイグ版ボンドの最後を締め括るに相応しいストーリー展開とテーマでした。

そしてタイトル No Time To Die は、単にタイトルにとどまらず、どう生きるか、死にどう向き合うかを、観る人に問いかけます。

Endingの We have all the time in the world の歌が心に染み入り、人生について考えさせられました。

ダニエル・クレイグ版ボンドはこれでお終いですが、ボンドシリーズがこれで終わるわけではありません。

エンドロールの最後に現れた一文、”James Bond will return”

また新たなボンドの登場を待つことにしましょう。

それでも、ダニエル・クレイグの007ともっと一緒にいたいという方は、イタリア・マテーラの街でバイクに跨るボンドのポスターを寝室に飾ってはいかがでしょうか?

No Time To Dieは前作スペクターの続きです。スペクターをもう一度みておきたい方はこちら👇

007をもっと知りたい方はこちら👇

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